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【ネタバレ回避】アルジャーノンに花束を ~幸せとは何かを考えさせられる不朽の名作~

アルジャーノンに花束をおすすめ小説

ー「もっと自分の頭が良ければ」「もっと賢ければ」
今までの人生で、一度でもそんなふうに考えたことはありませんか?
今回ご紹介する「アルジャーノンに花束を」という物語の主人公チャーリー・ゴードンも、そんな誰でも考えたことがありそうな悩みを抱える青年の一人です。
ただみなさんとちょっと違うのは、チャーリーは知的障害であるということです。
これは知的障害の青年チャーリー・ゴードンと彼の人生を大きく変えることになる一匹のネズミ、アルジャーノンの物語です。

本レビューでは可能な限りネタバレを避けて本の内容や見どころをご紹介しています
ネタバレが嫌な方、自分で読む前に余分な情報を入れたくない方におすすめです。

物語のあらすじ

『アルジャーノンに花束を』は、アメリカの作家ダニエル・キイスによる小説で、知的障害を持つ青年チャーリー・ゴードンが、知能を飛躍的に向上させる手術を受け、その後どのような人生を歩むのかを描いた感動的な物語です。

物語は、主人公であるチャーリーの「経過報告」として日記形式で綴られており、知能が向上するにつれて、彼の書く文章も劇的に変化します。彼は手術により天才的な知性を手に入れますが、次第に人間関係の困難さや孤独、感情的な葛藤に直面します。

物語は、知能が上がることが必ずしも幸福をもたらすわけではないというテーマや、知能と人間性の本質について深く、そして答えのない問いを投げかけてきます。知性、感情、人間関係の複雑さを探求した作品として、老若男女問わず様々な人に愛されている名作です。

この作品の見どころ

日記形式で進められるストーリー

チャーリーは知的障害を持っているため、6歳児程度の知能しかありません。
それでも懸命に働きながら、頭が良くなることを夢見て障害者向け学習クラスに通っています。そしてある日、チャーリーは偶然にも知的障害を改善するための臨床実験の被験者になり、後天的に天才的な頭脳を手にします。
この小説の一つの見どころは、チャーリーの「経過報告」として日記形式で進められる物語そのものにあります。最初は誤字や脱字、意味不明で稚拙な文章のオンパレードで、まさに小さい子供が書く夏休みの日記みたいな感じです。
ですが、術後の経過とともに、徐々に文章に知性が宿ってきます。わかりやすく、そして語彙が豊かな文章に変わって行くのです。読者は文中の説明からではなく、まさに「文章そのもの」からチャーリーの変化を感じることができる画期的な仕掛けとなっています。

どんどん賢くなっていくチャーリー

頭が良くなったチャーリーは、それまで理解ができなかったことをどんどん理解出来るようになります。そしてそれは難しい数式や論文だけではなく、自分自身のこと、そして自身の周りのことも深く理解出来るようになるということです。
賢さゆえに、理解できなかった方が幸せだったであろうことすら理解できてしまう。手術前にはその輪郭すら知らなかった「孤独」や「暗い感情」に触れたチャーリーは、いったい何を感じるのか。
賢さに憧れたチャーリーが、賢さ故に苦しむジレンマもこの物語の醍醐味です。

総評・まとめ

「アルジャーノンに花束を」は映画化もされるほどの名作ですが、個人的には文章で読んでこそ深みが出る作品ではないかと思います。
物語としても、人間関係の難しさや知性があるからこその苦しみ、生きにくさ、幸せとは何かを考えさせられるお話です。間違いなくオススメできる、大人にこそ読んで欲しい作品となっております。
物語もそこまで長いわけではないので、ぜひ一度お手に取って物語に触れて見て下さい。

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